地元愛が育つ!探究学習

こんにちは!ふじ応援部5期生のはっちゃんです✾
出だしから私事で恐縮ですが、昨年、第3子を出産しました。3人目を産もうと思えたのは、富士市でのいろいろな方との出会いや充実した子育て環境があったからでした。
富士市は、私の産まれ育ったまちではないけれど、私はこの富士市が大好きです。そんな富士市のために何かできたらと思い加入したのが、この「ふじ応援部」でした。私の活動によって「富士市が好き」そんな風に思ってくれる人が少しでも増えたらうれしいと思っています。

さて、興味深い内容の記事がありますので、まずはこちらをご紹介します。

富士市立高校卒業生、富士市へのUターン希望者87%

2022年1月の静岡新聞で「2020年度の卒業生に、富士市へのUターンに対する意識調査をした結果、Uターン希望者が市内の進学校の27%に対し、市立高は87%だった。企業や地域と連携した探究学習などで在籍時に地域との関わりが多いことが影響したと分析した。」と書かれていました。
本当にうれしい結果だと思います。

この記事の中にあった「探究学習」に私が願っている「富士市が好き」と思える人が増えるヒントがありそうだと感じたので、探究学習の構築に長年携わってきた遠藤先生(現在は静岡県立駿河高等学校で探究企画課長)に詳しいお話を伺ってきました。

富士市立高校の探究学習について(遠藤先生にお話を伺いました)

生徒への熱い想いがインタビューをしながら、ひしひしと伝わりました。

富士市立高等学校は、2011年に富士市立吉原商業高等学校から校名変更し、新しく開校した際に、「探究」というキーワードの入った、総合探究科、ビジネス探究科、スポーツ探究科の3科を設置しました。全国の高校で探究学習が本格的にスタートしたのが2022年なので、富士市立高校は、かなり早くこのカリキュラムに取り入れていたということになります。

探究学習とは?

探究学習は、与えられた課題を解くだけの学習とは違い、生徒自らが課題を見つけ、関連する情報を集めて、整理・分析し、自らの考えにまとめて表現するといったプロセスが繰り返されるように構成された学習をいいます。
生徒の積極性や思考力、判断力、表現力などの育成を目的としています。

授業の流れ

1年生で論理的な考え方やコミュニケーション能力、協働力を養い、2年生では富士市役所と連携して行う『市役所プラン』という富士市の課題を見つけ出し、地域の方と一緒に企画・提案していく授業を行います。
そして、3年生では、これまでの学習を振り返り、自分自身の将来と向き合ったスピーチの作成を通して、進路の意識を高めます。

生徒の変化について

卒業する頃には9割以上の生徒がしっかりと『対話』ができるようになり、考え方や伝える力が先生を超えてくる生徒もいます。また、探究学習を行うことで他の授業の成績が伸びたというケースもあります。

探究の授業を見学

(2022年当時)

この日の授業のテーマは、「富士市の課題」についてでした。改善策の提案や自分自身の発想を、大勢の前で堂々とプレゼンをしている高校生の姿には驚きました。高校生の頃からこのような経験を積み重ねることで、今後の進路実現や様々な場面において強みになるだろうと感じました。

社会で活躍している卒業生の経験談

富士市立高校の卒業生の越膳慧太さん、手嶋穂さん、長田結衣さんの3人にお話をお伺いしました。
越膳さんは現在、北海道浦幌市の十勝うらほろ樂舎、手嶋さんは岐阜県飛騨市の株式会社Edo、長田さんは富士市役所にお勤めされています。
みなさんそれぞれの進路を決める上で、「富士市立高等学校で学んだ事はとても大きかった」とおっしゃっています。良かったことや気づいたこと等を振り返っていただきました。

越膳慧太(えちぜん けいた)さん

探究の授業は最初から楽しく、特に市役所プランでは、現場に行って直接見たり、話を聞くので、ただ机の上で想像するだけの授業とは全然違いました。健康福祉というテーマで老人ホームに行きましたが、利用者の方と話をしているうちに、「目の前の皆さんを笑顔にしたい!」と本気で思いました。その瞬間からそこでの問題や課題は自分事になり、アイデアが湧き出て、考えも発展していきました。本物に触れることや、とりあえずやってみるといった、動くことの大事さについて探究学習を通して学ぶことができました。

手嶋穂(てじま みのり)さん

探究というものを知らずに入学しましたが、すぐにその魅力に気がつきました。大学は東北芸術工科大学のコミュニティデザイン学科を選びましたが、富士市立高校に行っていなかったら、この進路は選んでいなかったと思います。高校で、主体性とメタ認知力を養うことができて、学びに向かう姿勢がしっかりしました。現在は、その土台の上にいろいろなスキルを積み上げることができている感覚があります。

長田結衣(おさだ ゆい)さん

1年生のディベートの授業で火が付き、自分の“好き”に気づけました。否定しないしされない関係性が授業を通して自然と育まれていたので、クラスの雰囲気もとても良かったし、友達みたいに相談できる先生がいる富士市立高校の環境がとても居心地良かったです。やる気も目標もなかった中学の頃とは全く別人になったようでした。

探究学習を深堀りしてみて

今回の取材を通して、探究学習とは、ただ知識を得るだけではなく、「考える」ために必要な力を身につける学習なのだと感じました。まさに、幸せに生きていくために必要な力ですよね。私は、まだまだ可能性に溢れる探究学習についてを探究したくなりました!
そして、生徒の未来を本気で考えて指導してくださっている先生方の存在や、富士市や日本の未来を考える意欲的な若いパワーをたくさん感じられた事は、とても嬉しくもあり、頼もしくもありました。

富士市立高校の校訓「考えよ」

■富士市立高等学校ウェブサイト
https://fuji-ichiritsu.jp/