富士市のイチジクから見た農業の世界

 富士市の魅力を知って発信したいと思い、ふじ応援部の活動をしてきましたが、3期生の任期もあとわずかとなりました。この活動を通じて、普段の日常生活では知り得なかったことを私は多く学びました。

今回は、農協のいちじく部会の会長を務める遠藤博隆さんから、富士市のイチジクや農業についてお話を伺いました。私は、イチジクがどのように実るのか知らなかったので、畑に伺い取材させていただきました。

ドキドキしながら到着すると、畑は住宅街の中に広々と存在し、背丈を超える木と葉っぱが空に向かって伸びていました。 遠藤さんの畑には、24本のイチジクの木が植えられています。1つの幹には13~15個の実がなり、地面に近い所から赤く熟していくそうです。「無花果」という漢字で書くように、実の内部に花をつけるので、外からは花が見えません。

「イチジクは雨や寒さに弱く、暖かいところでないと育たないよ」と遠藤さんは優しく実を1つ1つ丁寧に取りながら教えてくれました。8月から12月上旬まで、毎朝天気の良い早朝に収穫作業をし、出荷先に届いた時にちょうど熟した状態になるよう見極め、実を選ぶそうです。そのため遠藤さんのイチジクは実が大きく、上品な甘さです。

おすすめの食べ方は、もちろん生で食べること。食べる2~3時間前に冷蔵庫に入れるとよいそうです。私も生で食べましたが、実が肉厚で、まるで桃のように甘かったです! イチジクはカリウムが豊富に含まれていて、塩分の摂り過ぎを調整してくれます。また水溶性食物繊維ペクチンが含まれ、乳酸菌を増やし腸内活性化に役立ちます。健康食材のイチジクが、富士市で味わえるのはとても嬉しいですね。遠藤さんのイチジクは、農協から富士市と沼津市の中央青果市場に出荷されます。出荷時の箱に、生産者名が書かれているそうなので確認してみてください。

取材の最後に「富士市の若い世代にメッセージはありますか」と伺うと、農家の数が15年前に比べ減ってきていることや農家の後継者が少ないことを教えてくださいました。私は、今回の取材を通じて、農家の皆さんが丁寧に作物と向き合ってくださるからこそ美味しいものが食べることができるということを実感しました。富士市には、その時期や場所に応じて旬の魅力あふれる食材があります。その環境を農家の皆さんが守ってくれていることに感謝と敬意を込めて、ありがとうございますとお伝えしたいと思いました。

農協いちじく部会  会長 遠藤博隆さん [電話] 0545-61-5626

※イチジクは個別販売をしていませんが、毎年8月は梨の販売をしているそうです。