富士市発!未来を創る新素材CNFの開発

ふじ応援部のもじゃこです。
皆さんは、CNF(セルロースナノファイバー)という素材を知っていますか?
CNFは未来を創る新素材です。
原料が木であり、強固になる、保水性が高い、軽い、耐摩擦性に富んでいるなど、たくさんの特性を持っており、あらゆる場面に役立つ素材です。

富士市の代表的な産業でもある「製紙」。
この製紙会社がCNFの原料となるパルプを多く持っているため、研究や開発を進めるための環境が整っているのです。さらに、2019年には「富士市CNFプラットフォーム」を設立し、市をあげてCNFの可能性を広げています。

では、CNFを使ってどんなものができるのでしょうか。
CNFを使った商品開発を行っている東洋レヂン株式会社を訪ねてみました。

東洋レヂン株式会社

富士市内に工場を構える東洋レヂン株式会社は、主にプラスチック加工を行う会社です。

東洋レヂン比奈工場

現在は医療器具等に使うプラスチック部品や貼るだけで鍼治療と同じ効果を得られるシール、3Dプリンター用の材料(フィラメント)の開発・製造を行っています。

今回は、CNFを使った製品の開発について、技術開発部の井出康太さんにお話をうかがいました。

CNFを使用した製品

東洋レヂンでは、成形のしやすさというCNFの特性を活かし、CNFを混ぜて3Dプリンターの材料(フィラメント)を製造しています。

フィラメントの製造工程、ひも状のフィラメントが機械から抽出される。
完成したカラーフィラメント

100%プラスチック製のフィラメントを使用した時と比べ、歪みなく丈夫なものを製作することができます。また「チキソ性(なめらかになる性質)」により、ノズルづまりなどの機械トラブルの改善にも効果があるんです。

CNF入りのフィラメントを使って作られた製品

脱プラスチックを目指して

東洋レヂンでは現在、廃棄プラスチックにCNFを混ぜてフィラメントを製造することで、資源の再生利用とプラスチック使用量の削減を視野に入れた開発を進めています。

石油などの化石燃料から生まれるプラスチックにより進行していく地球温暖化や海洋汚染への対策として、木を原料としたCNFの開発が進むことで、炭素の排出が軽減され、高品質で環境に優しい製品が手に入るようになります。

東洋レヂン 井出康太さんより

井出康太さん

CNFは夢の素材です。
研究や開発は、持続的に成長していくと思いますし、私たちが次の世代へ、また次の世代へと受け継いでいけるよう、多くの方にCNFに興味をもっていただきたいです。
地球の美しい姿を守るため、脱炭素社会を目指し、みんなで未来を創造していきましょう。

■市ウェブサイト「セルロースナノファイバー(CNF)について」
https://www.city.fuji.shizuoka.jp/sp/sangyo/c0311/rn2ola0000019nud.html

■東洋レヂン株式会社ウェブサイト
http://www.resin.co.jp/