~災害時の市民の心のよりどころ~ ラジオエフの歴史と役割

こんにちは!
4期生のぷにぷにです。

今回私は、ラジオエフの運営会社である富士コミュニティエフエム放送株式会社(以下ラジオエフ)の小沢教司常務取締役(以下:小沢さん)に「ラジオエフの歴史」と「災害時におけるラジオエフの役割」をお聞きしました。

ふだんなかなかお聞きすることのできないエピソードばかりだったと思います!

富士コミュニティエフエム放送株式会社 常務取締役小沢教司様
(インタビューは感染症対策を徹底し、写真撮影時のみマスクを外して頂きました。)

ラジオエフの設立経緯

ぷにぷに:そもそもどうしてラジオエフが設立されたのでしょうか?

小沢さん:ラジオエフは、コミュニティエフエム放送の制度の趣旨に基づき、地域の特色を生かした番組、地域の方が参加する番組、また、災害等の緊急を要する情報を提供することにより、地域(富士市・富士宮市・富士川町・芝川町 ※開局当時)の振興を図るとともに、公共の福祉を増進し、豊かで安全なまちづくりに貢献するコミュニティ放送局として設立されました。

ぷにぷに:ラジオエフの設立はいつ頃でしたか?

小沢さん:設置は2005年(平成17年)5月9日(月)で、開局は2005年(平成17年)11月3日(木/祝日)でした。

ぷにぷに:どんな方々が設置に関わったのでしょうか?

小沢さん:当時の富士市の鈴木尚市長が中心となり・富士宮市、富士川町・芝川町の首長及び地元の金融機関、商工会議所などに携わる方々など11名の発起人により設立されました。設立にあたっては2市2町の企業と行政、そして市民からの支援をいただいています。

そもそもコミュニティ放送って?

ぷにぷに:お話に出てきた「コミュニティ放送」について詳しく教えてください!

小沢さん:1992年(平成4年)1月、地域の活性化等に寄与することを目的に制度化され、同年12月24日に北海道函館市で「FMいるか」が日本で初開局しました。それ以降、大きな災害が起こるたびに各地で設置が進みました。 コミュニティ放送局は防災・防犯の大きな使命と行政・観光・交通情報等地域情報を提供する地域密着型メディアとしての役割を果たす一方で、その経営実態は大変厳しく、これまでに全国で20局以上のコミュニティ放送局が閉鎖となっているのが現状です。

大変だったエピソードは?

ぷにぷに:ラジオエフの成り立ちについて、大変よくわかりました!
設立してから、今日にいたるまで、大変だったエピソードなどはありますか?

小沢さん:一番大変だったことは、財務面でしたね。
私がラジオエフに来たのは4期終了した時点でしたが、引き継いだ当時は大幅な赤字を抱えるなど、苦しい状況でした。しかし、株主やスポンサーからの支援と社員全員の頑張りにより、11年かけて赤字を解消できました。

災害時の役割は?

ぷにぷに:ところで、ふだんの放送は、日頃から耳にしていますが、災害時はどのような放送を行われるのでしょうか?

小沢さん:地震、風水害、噴火、停電など人命にかかわる、若しくは、市民の生活に影響のある事柄が発生した場合は、番組を中断して緊急放送に切り替えます。

富士市・富士宮市とラジオエフは災害放送に関する協定を締結しており、市の要請等により敏速に災害放送を行う体制が確保されています。

これまで毎年、台風の都度、災害放送を行ってきました。
万一、ラジオエフ(放送室)が災害を受け、放送が不能状態に陥ったときは、富士市役所(消防防災庁舎)から災害放送を行うことが可能です。

特に思い出されるのが、私がラジオエフに来てから2年目、2011年の東日本大震災(3月11日)・静岡県東部地震(3月15日)の1週間以内の2つの大きな地震です。

この時も実際に「緊急放送」に切り替えて放送を行いました。

この2つの地震の時は放送を聞いていた多くの市民から521件メールをいただき、きめ細かな被災状況を刻々とリアルタイムで教えていただきとても助かりました。

このような災害時は情報を把握できる手段としてラジオがなくてはならないことが改めて分かりましたし、いただいたメール内容が自宅や周辺の被害状況、信号の停電、踏切の開閉状況、断水状況、お店やガソリンスタンドの閉店情報、乾電池の販売状況など、ライフラインや市民の身近な情報など、さまざまな内容をお送りいただいたため、放送地域の状況を刻々と把握することができました。

ラジオエフスタッフへの感謝や激励メールもたくさんいただき、私たちにとってはとても励みになりました。また同時に、たくさんの人がラジオエフを聞いていて、頼りにしてくれていることも分かりました。

ぷにぷに:ラジオエフは災害時の地域住民の心のよりどころの一つとして、機能しているということですね!

コミュニティ放送局として 今後目指す姿や役割

ぷにぷに:最後にこれからのラジオエフの目指す姿・役割についてお聞かせください。

小沢さん:これからも、役員・社員一丸となり、いつ起きるか分からない南海トラフ大震災や、富士山噴火が予想される地域のコミュニティ放送局として富士・富士宮市民の大切な生命、財産を守るとともに、地域経済の活性化を促す役割を果たしていきます。

ぷにぷに:心強いですね!私もこれから災害時は、すぐにラジオエフを聞けるよう、周囲にも勧めていきます!本日はありがとうございました!

いかがでしたか?
小沢さんにお話を伺い、ラジオエフの成り立ちや、災害時についての機能を知ることで、さらにラジオエフを「聞きたい!」「広めたい!」と思いました!

皆さんも災害時はもちろん日頃もぜひ、ラジオエフにチャンネルを合わせてみてはいかがでしょうか?